■春:spring 『春は風の季節!風が吹くタイミングと潮の動きに注目』 |
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春は、低気圧や高気圧が次々と日本付近を通過します。まだ、大陸からは冷たい北風も吹いているが、南の海から暖かい南風も吹いてきて風向きはころころ変り、日本のすぐ近くで低気圧が発達しやすいから風が強く吹くことも多くなります。低気圧が近づいて風が強まると、海上は波が高くなるが、ビーチ(陸)でも風が強くなってしまいます。狙い目は低気圧が抜けた後、次の高気圧に覆われてきて風が止んだタイミングです。荒れた海が次第に落ち着き、不規則だった波はウネリに変り、規則正しくまとまりだしコンスタントにビーチに届いてサーフィン向けのブレイクになります。但し、こういった波は落ちるのも早いのが特徴。高気圧がすっかり真上にくるころには海もすっかり静かになってしまいます。
こんな春には、潮のチェックも欠かせないです。春~夏にかけては、昼間の潮の干満の差が大きく特に大潮の時は、全く波が無くても潮が上げてくると波が出てくることがあるのです。そんなややこしい春に比較的ウネリが入りやすいところは西日本の日本海側。日本海を低気圧が通過したり、北海道の方で低気圧が発達すれば日本海の北部で海が荒れ、北ウネリが入りやすくなります。太平洋なら東向きのビーチ。この時期の低気圧は、日本の東に進んでから発達することが多いからです。もしくは沖のウネリに敏感な外海に面したビーチです。 |
■夏:summer 『夏は台風シーズン。南からやってくるウネリに期待』 |
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夏はとにかく台風に期待!でも、直撃してはサーフィンどころじゃなくなっちゃいますが・・・。理想は、中心気圧が940hp以下の大型あるいは超大型の台風がフィリピンの東、日本から2,000kmぐらい南の海上をゆっくりと西に進んでいる時。風の強さは十分。大きい波を起こすには、あとは広さと時間が必要ということになります。大型なら強風の範囲は十分広いし、動きはゆっくりなら同じ場所で強風が吹き続ける時間が長くなるから、波は限界まで大きくなります。台風の波の高さは台風の中心で15mぐらい、周辺部でも7~8mになり、周囲には大きなウネリが広がります。とくに、台風の東側は南風が吹いていてウネリが北に送り出され日本に向ってきます。なので、台風はじっとしているか、日本が台風より東側になるようにゆっくり西に進んでくれたほうがいいです。そして、台風が2,000kmも離れていれば、当然雨雲や強風は日本には届かずウネリもいい具合に衰えてビーチにやってきます。大きすぎず、小さすぎず、波と波の間(セット)、間隔が長く沖へ行くタイミングも十分とれ、普段の波とは違うパワーのあるエクセレントな波になります。こういう台風のウネリは、大体時速30kmぐらいでやってくるので、2,000km離れていれば日本に到着するまでに2日半かかる計算になります。台風のウネリが期待できるのは、もちろん太平洋側のビーチになってきます。 |
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■秋:fall 『南風が北風に変ってくる時期。波を当てるのは難しい』 |
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気圧配置だけ見ると、秋は春と同じように低気圧・高気圧が通過するので風も波も同じように思えるが、空気が冷えてくるせいで春とは微妙に違います。低気圧が接近して通過するときは春と同じで風が強まって波が高くなると考えていいでしょう。違うのはその後、高気圧が進んできた時です。秋の高気圧は冷たくて乾いた空気を持ってきます。だから低気圧が抜けた直後は冷たい北風が吹きます。冷たい空気は重いからこの北風は空から吹き降りるように吹いて、結構強く吹きます。
夜が長く、日の高さが低く、空気が乾燥しているので、秋は夜の間に地面が冷えやすく冷たい空気が地表面をバリヤーのように覆ってしまい、一夜明ければ波は急速に落ち、海は鏡のように静かになってしまいます。おまけに潮の動きも夜の方が大きくなって、昼間はあまり潮も動かなくなります。秋はサーファーにとって粘りの季節になります。こんな時期に期待できるところと言えば、北日本を通過する低気圧からのウネリが届く可能性のある東北から、茨城、千葉、北陸などの日本海側。
また、まだまだ台風シーズンなので西日本の太平洋側は、はるか南海上にできた台風のウネリにも期待できます。 |
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■冬:winter 『冬型の気圧配置が続く北風の季節。海は1番荒れやすい』 |
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冬のハワイはなぜ波があるのだろう?それは、大陸から吹き出す強い寒気が東アジアの低気圧を猛烈に発達させて台風なみの大きさまでに発達させます。発達した低気圧はそのまま北太平洋に居座り、巨大なウネリを南方に送り出します。これが、冬のハワイのノースショアに出現するビック・ウェーブの正体です。ここで不思議なのが、遠くのハワイでは世界有数のビック・ウェーブが出現するのに同じ低気圧にもっと近いはずの日本では、そんなに波が立たなということです。これは、ひとえに『季節風』のせい。風さえなければウネリは日本列島にもやってくるはずだが、あいにく日本の近海は日本列島から太平洋に向って強い北西風が吹き荒れています。だから、日本に向ったウネリは日本のビーチには近寄れません。
日本では、日本海側は強いオン・ショアで海は荒れ、太平洋側も荒れてしまうか、強いオフ・ショアで波が沖へ向ってしまってウネリが消されてしまいフラットになるかのどちらかになります。でも、季節風は冬の間同じように吹き続けるわけではなく強まったり弱まったりを繰り返します。チャンスは冬型の気圧配置がゆるんだときです。 |
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